By デイリーフォレックス:DailyForex
ビットコインマーケットは注目すべきマーケットか?答えは「YES」だが個人の投資スタイルによりエントリーポイントは異なってくる。アラン・エドワード氏による特別ブログBithedger.comで仮想通貨ビットコインマーケットへの参加を考慮している投資家およびトレーダーに彼の洞察が提供されている。
アラン・エドワード氏はロンドンにて15年のリスク管理経験のあるクォンツ・ストラテジストである。ツイッターでフォローするには:@Bithedge
Bitcoin:ビットコインマーケットの問題点
様々な理由から流動性の集中リスクが主な問題点となっている。分散を増大するためには本通貨が世界経済に進入し、取引インフラがより強化される必要がある。リスクの集中が分散され、取引のサイズ・強度・品質が増大するまではビットコインはハイリスクアセットであり、広いスプレッドで比較的少量でしか取引可能でないため、レバレッジ取引にはむいていない。一般的にフォレックスでは経済ニュースが評価のボラティリティの主要源である。注目される経済データの発表周囲に集中するボラティリティがマーケットのトレンドを起動する役割を果たしている。
基礎をなす不換通貨の金融ファンダメンタルがないためビットコインの評価は同じ起動要因では動かない。そのためビットコインのFXトレーダーは非常にダイナミックな環境において新たに評価方法を開発する必要を強いられることになる。結果、伝統的な投資家にとって一番の心配ごとは上記のすべてが様々な度合いで貢献する、予想不可能なボラティリティなのである。
Bitcoin:ビットコインに投資すべき人物、理由、方法について
広く流布している上記チャートは、ビットコインの価値がメディアの関心により動いていることを示唆している。もちろん、あまりにおおまかな表示のためメディアとビットコインの関係についていくつもの結論を下すことができてしまうが。。。下記のグーゲルトレンドデータとビットコイン終値に基づく標準化されたデータセットの比較は、メディアの関心が評価の変化に遅れを取っている事を表しており、大きな価格変動に関する報道を主流メディアの関心が追っているのを反映している。よってメディアのスパイク(急激上昇)が価格を動かしているのではなく、メディアのスパイクが価格変化に関する報道に遅れをとっているのである。(価格変化は地政学的イベントおよび正常モメンタムに基づく、フォレックスマーケットのダイナミクスにより起動される)
ファイナンシャル・エンジニアリングの観点によるこの関係における重要点はグラフ理論が、(機能しないということが分かっている)「バリユーアットリスク」といったファイナンシャル・エンジニアリングのフレームワークを置換する可能性であるという点である。ビットコインとグラフ理論がマーケットモメンタムの心理と指標価格の変動に関する欠けたリンクを提供するであろう。
スペキュレーション範囲外のビットコイン経済は採掘者または初期にビットコインを購入しイン・ザ・マネーにある参加者により主に動かされており、つまり彼らはビットコインの一般的通貨としての使用を希望する者なのである。彼らは「お金のない」自身のポジションについて心配せず本物の通貨とともにビットコインを使用する。ビットコインスキーマとは、全ての決済が公共的にまた匿名でアクセス可能な大規模なグローバル決済システムの稀な1例である。本分析から得た教訓および内在する現在のインフラは、今、マーケットに参加し大量のビットコインを購入することは長期的投資家またはそれだけの資金力がある者、または大量のビットコインを購入し確保するノウハウを分かっている者だけにしか薦められない。上記問題点の結果としてのビットコインの「イベント発生後」のヘッジングは、予測的ヘッジングと比べ、長期的な投資が現在のビットコイン所有の最適なソリューションであるといえる。正確な価格予測は困難であるが年内の予想リターンはこの種の投資を価値あるものとする。
ビットコインのボラティリティおよびボラティリティ管理システムの十分な知識を利用しようと考えているトレーダーにはこれらサービスを提供し始めた、名の通った機関でスプレッド・ベッティングすることをお勧めする。しかしそれでもスプレッド・ベッティングはトレーダーにとって、基礎通貨への制限された形式のアクセスを提供するため、リアルタイムのブローカーベースのレバレッジトレーディングに次ぐ2番目の選択肢であるといえる。幸いにも一般的通貨と共にビットコインをトレードすることは、将来のビットコインサービスに関心を既に発表をしているOANDAといったブローカーでいづれ現実化するだろう。これはビットコインを囲むエコシステムが成長・改善し、ビットコインのエコシステムの未来が有望であることを再確認するものである。
Bitcoin:ビットコインの将来
現在、ペイパルといった決済システムプロバイダに急速な変化が起こっておりベンチャーキャピタリスト達は公然にビットコインへの関心について語り合っている。グーゲルは「オープンコイン」という名のビットコインの競合者とともにマーケットに参加した。シリコンバレーも注目し始めている。ペイパルならびにOANDA が仮想通貨(仮想通貨にはLitecoin 、PPcoin 、Terracoinなど多種類がある)との未来の関係を認めた瞬間が貴方にとってビットコインの本格的なトレーディング開始のアラームとなる。
ビットコインの地政学的独立性はトレーディングにとって理想的である。それは通貨をバックアップする国の政府による政治的介在のない、純粋にマーケット起動される通貨という、他の通貨が成し遂げられないことができるからだ。仮想通貨が準備通貨として米国ドルを置換することを止めることはできない。実際、経済的通貨戦争の世界である今日、ビットコインのような国なし通貨を所有することは理想的なシナリオといえる。もし、西欧金融の利害関係がビットコインを鎮圧する規制プログラムを続けた場合、その他のマーケットが仮想通貨を取り入れそれ専用のマーケットを提供することが予想される。アジア圏の主軸の香港が仮想通貨を武器化し西欧通貨に対する通貨としてビットコインを標準通貨として取り入れたとしたらどうなることか。BRICSが取引通貨としてビットコインを使用し始めたらどうなることか。ビットコインの「ゲーム」はいかなる国、規制団体または銀行に制御されないグローバルな現象であり、現在起こっている戦争に既に参入しているのである。
ビットコインは他の金融システム同様の弱点がある。当局がインターネットを停止したら電子資産は安全といえるのか?ビットコインはセントラルサーバーがなく暗号化されたビットコインはコンピュータに保管される。「政府がインターネットを停止したらどうやって資金にアクセスできるのか」という質問はビットコインのみならずATMネットワークと伝統的なバンキングにも適用する。純正主義者は金や現金はビットコインのように電源を必要としないなどと言い張るだろう。
ブリック&モルタル商人が法外な取引手数料を純益に加算できるようになればビットコインの本当の機会が訪れる。マーケットはこの現実に適応しビットコインとその他の仮想通貨が投資家に与えている機会に参加するだろう。4月のビットコインの取引額は10億ドルであり、それはこの若い通貨の前回記録の16倍であった。ビットコインが通貨のように機能するのかコモデティのように機能するのかはまだ論争されている点であるが、ビットコイン用のマーケットは成長を続け、ビットコイン環境のサービスは大通りからウォールストリートにいたるまで芽生え始めている。
ビットコインは短期的には消滅したり内破することはないだろう。しかし、各種機関のプレイヤーがイデオロギー的、金融的に権利を主張するにつれ値段の変動が見受けられることであろう。大勢のVCキャピタル達が儲け話に飛びつき、通常のルールがここでも適用するであろう、つまり勝者と敗者が出て、価格暴落が起こりイベントがマーケットを動かし影響を与え合いながらリポジションが繰り広げられるであろう。
ビットコインは短期的には消滅したり内破することはないだろう。中期的にはボラティリティが見られるが常に上昇トレンドであることが予想されよう。ビットコインは土地同様に供給が固定しているが分割、デフレ、分散は無限である。インターネットが繰り出したデジタル「土地横領」と同概念を通貨のデジタルプロトコルに焼き固め、強制された供給不足に適用してみると著作権と同様にこのリソースの所有および使用に関し競争が繰り広げられるであろう。ビットコインとは、その価値を決定するために競争し、それを利用する拘束のない取引マーケットを通じ、様々な参加者の合意により価値が適用された交換媒体であるという、通貨の現在と未来の有り様をデジタル化した表現なのである。
固定された限定供給ではあるが、ビットコインは中央当局に制御されない取引通貨の必要性を実証した。ビットコインを停止する中央ポイントは存在しない。素数に拳銃をつきつけ物事が変化することを期待することはできない。ピア・ツー・ピアネットワークを停止しようと政府が試みても効果がない事は既知の事実である。エンターテイメントのデジタル化は著作権の独占を破壊させ、3D印刷機は製作の独占を破壊させ、仮想通貨は取引の独占を破壊するだろう。
ビットコインの長期的な可能性を誰も予想することはできない。ビットコインの価値はゼロまたは10,000または100,000のどれかになるだろう。マーケットがそれを決定するまでは何年もかかることだろう。それまでにビットコインが消えることは無いだろう。